こんにちは!
教養派アート入門メディア『3L museum』を運営している、白くま館長(@3Lmuseum)です(・(人)・)
みなさん、『アスキーアート』というのをご存知ですか? 略してAAとも言いますね。
アスキーアートは、簡単にいうと文字で作られたアートのことを指します。
(^ω^)<これのことだよ!
このアスキーアートを解体すると、『”かっこ”+”キャレット”+”オメガ”+”キャレット”+”かっこ”』という文字で構成されていることがわかります。
アスキーアートは主にメールなどの返信において、感情表現として多数使用されてきました。
まだまだ現役なものの、最近は絵文字やスタンプに居場所を奪われています。
これを多用しているしていないで、世代がわかってしまいそうですね。
以前の記事において、アートが生み出される時、何かメッセージや自分の感情を添えて生み出すという内容を書きました。
アスキーアートもメッセージや感情を表現するために生まれてきているのです。(オリジナリティには欠けますが)
この記事では、そんな立派なアートの一種であるアスキーアートについて解説していきます。
アスキーアートってなに?
アスキーアートについて、もう少し解説していきましょう。
そもそも、アスキーとはなんでしょうか。
アスキーは英語だと『ASCII』と表記され、『American Standard Code for Information Interchange』の略称となっています。
この英文の羅列の意味は、米国規格協会が決めた、コンピューターにおける文字や記号についての決まりごとのことです。
つまり、文字や記号が文字や記号であるためのルールということです。
これらをまるで顔のように並べたものを、アスキーアートと呼んでいます。
アスキーアートの流行
アスキーアートは、主にメール上において自身の感情などを伝えるツールとして広く使われていました。
コピペですぐに使えることが強みで、当時メモ欄にアスキーアートを控えていた方も多いのではないでしょうか?
しかし、文字コードが違うと形状を保つことができないという欠点もありました。
いわゆる文字化けです。自分では普通に送ったはずなのに、受信した相手には怪文書に見えてしまうこともありました。
その一方で、『2ちゃんねる』という掲示板サイトにおいても、オリジナルのキャラクターが生まれました。
サイトを彩るキャラクターとして流行っていたり、フラッシュプレイヤーにより制作された動画のキャラクターとして多用されたりと、アスキーアートのキャラクターは各所で愛されてきました。
こっちの方が馴染み深いよ!って人の方が多いかもしれませんね。
しかし、去年末にフラッシュプレイヤーがサービス終了したり、ラインスタンプが登場したりして、アスキーアートの姿は徐々に見かけなくなってきました。
アスキーアートで表現されるもの
アスキーアートは、感情からキャラクターまで、様々な事象を表現することができます。
感情に関しては、前述しているような顔文字がその代表例ですね。
嬉しい、悲しい、おはようから、わけのわからない顔文字まで。
バラエティ豊かな感情を表現することができるのです(・(人)・)
一方で、キャラクターの場合、既存のキャラクターをアスキーアート化したり、オリジナルで自作されたりケースが多いようです。
既存キャラクターのアスキーアートは探せばいくらでも出てくるのですが、どれもクオリティが高くてびっくりです。
既存キャラのアスキーアートだと、ジョジョの奇妙な冒険に登場するポルナレフの名シーンのアスキーアートが個人的には好きです。
ジョジョの奇妙な冒険に登場するポルナレフ
やる夫
モナー
これらのキャラクターたちは、主に2ちゃんねるなどの掲示板で誕生し、掲示板での感情表現をアシストしていました。
このように、アスキーアートには様々な表現をする力が込められているのです。
アスキーアートって本当にアートなの?
アスキーアートについてはなんとなく理解できたけれど、実際アートと呼べるのか?
そう疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
実のところ、文字を使用したアートは古くから存在しているのです。
この手法を確立したのは、ギヨーム・アポリネールという20世紀初めに活躍した詩人です。
彼は、アスキーアートの原点とも言えるような『カリグラフ』という文字で絵を構成する技法を生み出しました。現在のアスキーアートと違いはほぼありません。
古代ギリシアから文字絵は存在していたものの、絵画・文学などの統合を進めたのは彼が初めてでした。このカリグラムが派生し、アスキーアートが生まれたと推察されます。
このような背景から、アスキーアートにはアートであることを裏付ける正当な歴史が存在するのです。
まとめ
アスキーアートの成り立ちや役割について解説しました。いかがだったでしょうか?
アスキーアートは誰でも簡単に作れて、簡単に使えて、感情を表現することができるアートです。
インターネットが普及して、メールなどで対面以外に交流を深める機会が増えたことにより、アスキーアートの需要も高まり、多くの人に愛されてきました。
相手の感情を文章という情報から読み取るのが難しい時もあります。
そんな時、代わりに感情を代弁してくれたのがアスキーアートでした。
最近はラインスタンプなどの手軽に感情を表現するツールが増え、アスキーアートは衰退の道にあるものの、まだまだ現役です。
アスキーアートはなんだかんだ万能で、面白おかしいアートなのでした。
たまには気分でアスキーアートを使い分けてみてもいいかもしれませんね。