子どもと一緒にアート鑑賞をしよう! お手軽に楽しむ方法を紹介

こんにちは!
教養派アート入門メディア『3L museum』を運営している、白くま館長@3Lmuseum)です。

昨今、子どもの教育においてアートの需要が高まってきています。

その背景として、アートに触れることで答えのない問題に対応する力や他人とのコミュニケーションにおいて相手の気持ちを理解しながら、自分の意見を論理的に伝える力を育むことができるということがわかってきたためです。
そのほかに、
柔軟な発想力創造力を伸ばすことに対しても、アートは効果的であることが判明しています。

とはいえ、一体どうやって子どもにアートを触れさせていけばいいのか分からないですよね。

「アートに興味を抱いてくれるか不安……」
「子どもにアートに触れる機会を与えたいと思うけれど、美術館は敷居が高い……」
「そもそも、子どもを美術館に連れて行くタイミングがない……」「美術館が楽しくなかったら、アートに触れる機会がなくなってしまってしまうため行くのをためらう……」

そんな不安を抱いたことはありませんか?

お子さんがアートに興味を抱いてくれればいいのですが、ここで退屈に感じてしまったら、美術館は楽しくない場所、なんて捉えられてしまう可能性はありますよね。

その解決策として、日常に潜むアートを美術館に行く前に鑑賞してみるのはいかがでしょうか!

アートは美術館のみに存在するわけではありません。街中や商業施設などの生活の中でもアートが潜んでいるのです。少し視野を広げてみてみると、世界はたくさんのアートに満ち溢れています。

今回は、そんな日常に潜むアートを子どもたちと楽しむ方法について紹介していきます。

美術館に比べて周りを気にする必要がないため、散歩をしながら思いっきりアートに触れることができます。なお、この方法は子どもたちだけでなくとも、アート初心者の人に対しても効果的です。

館長
日常に潜むアートを鑑賞して、独創的なアイデアやコミュニケーション能力を育んでいきましょう!
目次

アートは身近に潜んでいる

そもそも、アートというものは至る所に存在しています。

さて、それを認識するために、まずは普段の生活を見返してみましょう。

・いつも歩く公園にはちょっぴりおかしなオブジェ。
・最寄りの駅を見守る誰かのブロンズ像。
・駅中には彩り豊かなタイル。
・待ち合わせは奇抜でわかりやすいアートのそばで。
・一緒に向かうおしゃれなカフェには雰囲気を出す絵画。
・街を創るのは面白い建物。

ちゃんと意識してみると、このように多くのアートに囲まれていたと気づくかもしれません。
子どもたちと散歩していれば、きっとお気に入りのアートを見つけて興味を示しているはずです。

そんな様子が見られたら、このアートのどこが好き?」とお子さんに問いかけてみてください。

子どもたちの感性は斬新で、大人が気付かないことを気付くことがあります。
それを聞くことによって、子どもだけではなく大人も視野を広げることができるのです。

さらに、子どもたちの考えを聞いた後、今度は自分自身の感想も伝えてあげましょう。

子どもたちがアートを鑑賞するにあたり1番楽しみにしているのは「自分の感想を伝えること」ですが、2番目は「他者の感想を聞くこと」です。

自分とは違う意見を聞くことは、子どもにとっても大人にとっても大きな刺激になるのです。
また、他者の意見を汲み取る傾聴力を向上させることもできますね!

館長
ちなみに、これは1980年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された『VTC(ビジュアル・シンキング・カリキュラム)』という鑑賞教育プログラムに基づいた鑑賞法の1つでもあります。

VTCとは、簡単に言うと『対話型鑑賞のことです。※1

鑑賞者同士で感想を語り合うことで、自分の感情の根拠を言葉にして表現することができ、論理的思考力を向上させることができます。

身近に潜むアートをどんどん鑑賞して、親子で教養を深めていきましょう!

※1 参考:『美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方

日常に潜むアート鑑賞をする際のポイント

ポイントとして押さえておきたいのは、日常に潜むアートは鑑賞しすぎないことです。

形式ばるのではなくて、肩の力を抜いて対話することが大切です。

「ものすごく興味深い!」とかであれば、全然のめり込んでいってもいいと思います。
ただ、美術館とは違ってあくまでも生活の中。生活するペースもあれば、感じるペースもあります。

ちょうどいい感覚でアートに触れることこそが、日常に潜むアートの鑑賞方法であるのです。

難しいことをいっても子どもたちは困惑してしまいます。構えることなく、気軽に鑑賞していきましょう。

気になったアートを集めてみよう!

子どもたちの好奇心によっては、たくさんのアートに興味を抱くことがあります。

そんな時は、それらを写真に撮って収集してみましょう!

写真に収めてファイリングするといった、興味関心のある様々なものを視覚的かつ1箇所に集めて整理することで、独創的なアイデアや感性を育みやすくなります。

ここでオススメしたいのは、スマホで撮影するだけではなく、印刷してスクラップブックに貼り付けたり、ファイルアルバムに保管したりすることです。※2
ただし、写真を撮っていいものとダメなものあるので、事前に確認しましょう!

スマホで撮影するだけだと個々の写真が断片的になりやすく、視覚的なつながりを見出しにくくなってしまいます。

スクラップブックで構成を考えて写真を貼り付ける作業や、ファイルやアルバムにどんな順番で写真を格納するか考えることは、一人ひとりが個性を表現し、感性を培うのに効果的な方法なのです。

館長
そして何よりも、子どもたちがクリエイティブな楽しさを見出せたり、何に興味があるのか理解できたりすることが嬉しいですね!

※2 参考:『思考の整理学

まとめ

子どもと手軽に楽しむ方法として、日常に潜むアート鑑賞を紹介しました。いかがだったでしょうか?

視野を広げて意識しながら日常を見てみると、いろんな発見をすることができます。
そんな日常に潜む発見が、何気ない幸せを生み出します。

実際、日常から小さな喜びやユーモアを見いだすことができる人は、相対的にストレスに強くなることや、幸せを感じやすくなることが研究結果で証明されています。

館長
「今回は子どもたちと観察しよう」といった内容にはなっているものの、大人にとっても大きなメリットがあるんですよ!

ということで、子どもたちのアートへの入り口として比較的なじみやすい方法を紹介しました。
また、館長が参考にした書籍も併せて紹介したので、ぜひ一度読んでみてください。

散歩をしながら新たな発見をして、日常の幸せを感じながら子どもたちと一緒に教養を深めていきませんか?

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この記事を書いた人

1996年生まれ。大学卒業後、美術館でナビゲーターとして教育普及に従事。教養としての芸術を広め、芸術に対する価値観やイメージをアップデートしたいという想いから、2021年3月に「3L museum」を開設。牛乳キャップやチロルチョコの包み紙など、芸術的価値があると感じるモノの蒐集が趣味。




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