観察力を鍛えるワークショップ Vol.2

こんにちは!
教養派アート入門メディア『3L museum』を運営している、白くま館長@3Lmuseum)です。

観察力を鍛えるワークショップへようこそ!
3L museumでは、アートを楽しみながら新たな発見や気づきを与え、観察力が高まる体験を提供できるように、様々な作品を取り扱ってワークショップ記事を作成しています。

ワークショップを体験することで、主に「未知の自分の発見」と「観察力」の2つを鍛えることができます。
詳しくは下記の記事で解説しているので、ぜひ読んでみてください!

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今回のワークショップでは、ちょっと不思議な作品を紹介させていただきます。
いろいろツッコミながら観察してもらうと面白いと思います。

また、このワークショップでは次のものを必要とします。
ありあわせで大丈夫なので、読み進める前に手元に用意しておいてください!

・文字が書ける紙
・鉛筆・シャープペン・ボールペンなど

※今回のワークショップの所要時間は約5分です。

目次

作品を見てみよう!

それでは、今回のワークショップで使用する作品の紹介です!

人形を持つ子ども

まずは作品を観て、「気がついたこと」や「感じたこと」を紙に書き出してみましょう。

2分間で自由に書き出してみてください! 下のタイマーで計れます。

どうでしたか?

館長
ちょっとインパクトのある作品なので、きっと個性的な感想が出てきたかと思います。笑

あなたは気づいた?サクッとチェック

ここでちょっと難易度の高いチェックポイントを3つ紹介します!あなたは気づきましたか?




どこからそう感じた?

次は自分の感想の中から1つ選んで、「どこからそう思ったのか」を深掘りしてみましょう!
より鮮明に観察することができるようになります。

例えばこんな感じです!

・「なんとなく不安な感じがした。」
→なんでだろうって考えてみたら顔や足がものすごく大きいのに、手が不自然に小さいことに気づいた。そこからかな……
・「おじさんなのか子どもなのか分からなかった。」
→手に抱えている人形の大きさから考えると子どもだと思う。ワンピースを着ているから女の子のはず。だけど顔はいかつくて大人みたいだと思った。目が異様にキラキラしてるのもちょっと怖い。

ぱっと頭に浮かぶことで大丈夫です。それでは気楽に1分間でやってみましょう!

この作品はどんな作品?

深掘りお疲れ様でした。少し頭を使って疲れたと思います。
ここで、このインパクトのある不思議な作品のことを紹介します。

これは「人形を持つ子ども」という作品で、フランスの画家アンリ・ルソーによって1892年に制作されたものです。

ルソーは40歳くらいまで税関職員、つまり公務員としてお役所に勤めており、その傍ら休日に絵を描く日曜画家として活動していました。つまり、彼は独学で絵画を習得していたのです。

ルソーの絵は技術的に未熟な部分もあり、いわゆるヘタウマと言われていますが、その理由はここにあります。
そのため、当時の人々からは「税関士ルソー」というやや皮肉めいたあだ名を付けられていたとか。ちょっと親近感が湧いてくるストーリーですね。

ちなみに「人形を持つ子ども」は、現在はフランスのパリにあるオランジュリー美術館という権威ある美術館に所蔵されています。

この作品をあなたはどう思う?

では最後に、この作品を観てあなたは今どう思いますか?
作品をよく観察し、背景を知ったからあなただからこそ出てくる感想がきっとあるはずです。

自由に書き出してみましょう!

人形を持つ子ども

ここでほかの人の感想も紹介させていただきますね。

「最初はなんとなく不気味だし手や足もおかしいと思っていたけど、ルソーが独学で絵を習得したと知ってからは、実はルソーもちょっと失敗したな〜と思った作品なのかなと考えるようになった。それでも評価されているということは、芸術はテクニックが高ければいいというわけじゃないんだなと思った。」
「子どもは全然可愛くないし、人形も下手なコケシみたいで変だなとしか思えないけど、私はこの作品が好きだなと思った。この作品を作ったルソーの人間味が感じられるからかもしれない」

まとめ

ワークショップの体験、お疲れ様でした!

今回はとてもインパクトのある作品を紹介しましたが、画家であるルソーのことを知る前と後で印象が変わったのではないでしょうか?

館長
よく観察することと知ることで、今までよりも多くのことを発見できるようになることが実感してもらえたら嬉しいです!

きっと日常で感じていた違和感に対しても気づいたり、深く考えたりする力が身についているはずです。

以上、今回のワークショップは終了です!
夢にでも出てきそうな女の子ですが、その時は仲良くしてあげてくださいね!

また、ほかのワークショップも用意してあるので、ぜひチャレンジしてみてください。

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この記事を書いた人

1996年生まれ。大学卒業後、美術館でナビゲーターとして教育普及に従事。教養としての芸術を広め、芸術に対する価値観やイメージをアップデートしたいという想いから、2021年3月に「3L museum」を開設。牛乳キャップやチロルチョコの包み紙など、芸術的価値があると感じるモノの蒐集が趣味。




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